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9000年前の男女役割、女性ハンターも存在

image : National Geographic

2018年のある日。米カリフォルニア大学デービス校の考古学者ランダル・ハース氏の研究チームは、ペルーのアンデス山脈で発掘された約9000年前の墓の周りに集まった。墓の中には成人のものと思われる骨とともに、多種多様で見事な狩猟用の石器があった。大きな獲物を倒し、その皮をはぐ作業までの道具がそろっていた。 「彼はきっと優れたハンターで、集団の中でとても重要な人物だったにちがいない」。当時、ハース氏とチームのメンバーたちはそう考えていた。

だが、その後の分析によって意外な事実が明らかになった。石器のそばで見つかった人骨は、女性のものだったのだ。それだけではない。11月4日付けで学術誌「Science Advances」に発表された論文によれば、当時の南北米大陸では、女性のハンターは例外的な存在ではなかったという。

National Geographicより(9000年前に女性ハンター、「男は狩り、女は採集」覆す発見
清水

発掘されたものがあっても、それをどう解釈するかは発掘者の見解になり、どうしても人は筋が通るような解釈をしてしまうところがあります。また、女性が狩りをしていたことを裏付けるようなものが発掘されていたとしても、女性たちがどう考えていたかはわかりません。